はやくてげんき

最初に言っときます、オチとかありません。
子供の頃よく意味のわからんおまじないみたいなのが流行ったことは皆さん一度や二度あると思います。
私の子供の頃も当然ありました。
その一つとして「ナンバープレートを一定数見ると願い事がかなう」というのがありました。
簡単じゃないかとおもうんですが子供には結構シビアな数でした。
色によって違いがあって白なら1000、黄色なら500、緑なら100だったかとおもいます。
そしてもう一つ黒が5枚、一番少ない。楽にみえました。
だが実際は黒ナンバーの車と言うのはほとんど走ってませんでしたし他のナンバーは数が洒落にならないのでまぁ達成したことはないんですが。
それで黒の中にだけ特別ルールみたいなのがありました。
赤帽は除外というやつでした。
多分実際はよく見かけるからと言う理由なんでしょうが私は「赤帽はきっと黒になりきれなかった準黒みたいな存在なんだろなぁ」と漠然と思ってました、小学二年生の多分夏ぐらい。
もう一つ特別ルールがありました、青帽はみると不幸になるというのが。
青帽というのは赤帽の青いやつです。
ものすごい漠然としてますが見た目がそのままなのでどうしようもありません。
そんなおまじないが流行っていて私も暇なときは近所の堤防に登って延々道路を見続けたりもしていました。
話はかわって先ほども書きましたが当時私は小学二年生でした。当時私には憧れの隣のお姉さんというやつがいました。
確か五つ年上でそのとき中学生になったばかりだったはずです。
今なら「若くていいなぁ・・・」とかいうんですが当時はすごいお姉さんのような気がしてました。
その彼女はよく私と遊んでくれました。音楽が好きでよくピアノを弾いていたりもしました。私はその横でじっと見ていることがよくありました。
お互い一人っ子だったので多分彼女は私のことを弟のように思っていたでしょうし私も彼女のことを姉のように慕っていました。
ある日彼女に遠出に連れて行ってもらったことがあります。
その帰り道、私は遊び疲れてバスで寝かかって意識があまりありませんでした。
そこでふと窓の外を見ると青い軽貨物車が通っていきました。
その時の私にはそれが何か把握できていませんでした。
それからしばらくして私は父の仕事の関係で引っ越しました。
彼女とはそれっきり会っていません。
ですがある日当時の友人と電話で話したとき彼女の話題になったことがあります。
たいした内容ではありませんでした。
私が引っ越してすぐ彼女の父親が交通事故で亡くなった事とそれからすぐ彼女の母親と彼女が突然いなくなってしまったこと。
それだけです。