そんな理由

僕がベッドをどうしても使わないって言う理由?
たいしたことじゃないんだけどね。
あれは僕が一人暮らしを初めてすぐだったからまだ10代の頃かな。
ちょうどその頃僕が住んでた街やその近所で物騒な事件がよくあってね。
バラバラ殺人事件とか幼児誘拐事件とか、中学生の集団暴行殺人なんてのもあったかな。
近場だったんでね、それなりに気にしてたよ。
まぁそんなある日さ、僕の友達、高校からのなんだけどね。
がさ、遊びにきてさ。
そいつが大きなバッグを持ってきてね。
何が入ってるの?って聞いたら中から瓶を出してきてさ。
お酒だよ、結構高い奴。当時10代だったんだろって野暮なツッコミは無しだよ?
んでそれ渡してきてさ「飲もうぜ」って言ってきたんだよ。
断る理由もないしね。ただ良く冷えてたんでそれを聞いたら「腐る物がはいってるしな、保冷剤いれてるんだ」
って言って他にも食べ物、おつまみみたいなのから結構良いお肉とかまでだしてきたんだ。
その夜は飲んだね。飲みまくった。
まぁ良くあることかもしれないけどさ、けっこう楽しかったな。
それで僕は酔いつぶれちゃったんだろね、途中で寝ちゃってさ。
んで朝起きたらもうその友達居なくてさ。いつのまにか帰っちゃったみたいなんだよね。
それで終わり。
?、ああ。僕がベッドを使わない理由だっけか。
いやさ、その2、3日後僕が久しぶりに部屋の掃除、何日ぶりかはちゃんと言うと僕の人格が疑われそうだしぼかすね。
をしてたらさ、ベッドの下になにかあるんだ。
それで出してみたらでてきたんだよね。
保冷剤に包まれた人間の右手首が。